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新説 ももたろう 後編

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後編

※このお話は、あの有名な物語『桃太郎』とは違った内容になっています。ご了承の上、ご覧ください。

※このページは『後編』です。前編をご覧になってからお読みください。

 

 

 

 

桃太郎と猫とゴリラは鬼が島に着きました。鬼はすぐに見つかりました。しかし、そんなに怖そうな相手ではありません。

桃太郎の住む村の年寄りたちのように、みんないそいそと仕事をしています。桃太郎は近くを歩いていた鬼の1人に尋ねました。

「鬼さん、わしらは海の向こうの小さな国から来た者じゃ。あんた達はわしのお国の宝物をねらっているというのは本当か?」

その鬼は言いました。「わしらは鬼でも下っ端じゃからよう知らん。鬼の王様のところへ連れて行ってやるからそこで聞いてみろ。」

そう言って鬼は桃太郎たちを鬼の王の所へと案内しました。

 

 

 

 

鬼の王は、お侍のゴリラよりももっと大きな体でどっしり座り、ぎろりとした目はいかにも強そうでした。しかし桃太郎は少しもひるまず、さっきと同じ事を聞きました。

「鬼の王様、鬼が島がわしらのお国の宝物を狙っているというのは本当だろうか?」

王様は顔をしかめて言いました。

「わしらはずっと、お前たち小さい国の人間が鬼が島の宝物を狙っていると聞いていたが、お前たちの宝物を奪った事はない。」

桃太郎はびっくりして聞きました。

「わしらの国が鬼が島から宝物を奪うなんて、誰がそんな事を言っているんだ?」

鬼の王は言いました。

「海の向こうの竜の国だ。鬼が島にはお金がない。仕事もあんまりない。昔はそれでものんびり暮らしていたが、今はそうはいかない。お前たち小さな国や、他のいろんな国が稼いだお金を奪おうとしている。だから鬼が島は竜の国に守ってもらわなくてはいけないのだ。」

それを聞いたとき、桃太郎たちははっきりとわかりました。本当の鬼の正体がわかったのです。

「鬼の王様、提案じゃ。わしの国は鬼が島から宝物なんて奪わない。そのかわり協力してお互いの国を守ろう。海の向こうの竜の国に無駄なお金を払うのはやめるんじゃ。」

 

 

 

 

 

 

 

こうして桃太郎は鬼の王を仲間にすると、お国のお殿様にも相談して、鬼が島と協力する事になりました。

桃太郎と猫とゴリラの三人組は、海を越えて竜の国へ行く事になりました。鬼の王は下っ端の鬼を連れて行くように言いました。

「こいつはおとなしい鬼だが、いざという時は鬼らしく戦うだろう。」

こうして4人組になった桃太郎たちは、竜の国を目指す舟に乗り込みました。

 

 

 

 

 

 

竜の国についた桃太郎一行は竜の王に会いました。桃太郎は小さなお国と鬼が島が仲良くなった事、これからは守ってもらう必要がなくなった事を告げました。

「だからわしらはもうこの国にはお金を払わんようにしたい。」

桃太郎はそう言いましたが、竜の王はこう言いました。

「そうはいかん。お前たちは協力したってまだまだ弱い。わしらが守らねばならんからお金は払い続けなさい。」

桃太郎はにやりと笑って答えました。

「それなら王様。この国で一番強い人間と決闘させて頂きたい。わしらが強い事を証明しましょう。」

竜の王は答えました。

「それならわかりやすい。望むところだ。」

猫と下っ端の鬼はびっくりしました。

「わしらはめちゃくちゃに弱いぞ!どうするんじゃ桃太郎!」

桃太郎は言いました。

「力自慢のゴリラどんが1番手じゃ。つぎは桃太郎が戦う。わしが負けたら鬼どん。鬼どんが負けたら猫どんという順番じゃ。でも安心せい。お前たちの順番は来ない。もしゴリラが負けてもわしが負けんからじゃ。」

「でも、もし負けたらどうするんじゃ!」

「その時は、腹をくくれい。

さぁ、決闘の始まりです。

 

 

 

 

 

 

始めに出てきたのは竜の王の手下どもです。プロレスラーや剣士が襲いかかってきます。しかしゴリラは自慢の怪力で、あっという間に手下どもをやっつけてしまいました。

猫と下っ端の鬼は、ゴリラの強さにびっくりしました。

「これなら竜の王もゴリラどん1人でやっつけてしまうかもしれんなぁ、猫どん!」

「そうじゃなぁ鬼どん。わしらは戦わんですみそうじゃ!」

しかし、ほっとしたのも束の間。次に現れた竜の王は恐ろしい力を発揮しました。

「わしの強さを思い知らせてやろう!」

そういうと竜の王は、まるで怪獣のように大きなバケモノドラゴンに変身しました。

「さぁ、いくぞ!」

 

 

 

 

 

 

力自慢のゴリラは、あっという間にバケモノドラゴンのシッポにたたきつぶされてしまいました。

「わしには絶対に勝てんぞ。降伏しろ!桃太郎。」

桃太郎はゆっくり立ち上がると刀を取りました。

「この桃太郎に降参の二文字はない。さぁ勝負じゃ。」

大決戦の始まりです。桃太郎はバケモノドラゴンに飛びかかると刀で斬りつけました。しかし、なんという事でしょう。バケモノドラゴンの体は鋼鉄のように堅く、桃太郎の刀が折れてしまったのです。

「このバケモノドラゴンを参らせるには、わしの刀では無理じゃ…」

桃太郎はゴリラと同じようにバケモノドラゴンのシッポに下敷きにされてしまいました。

「さぁ残ったのは弱そうな鬼っこと、うまそうな猫じゃな。お前たちはまとめてぺろりと食べてやろう。」

バケモノドラゴンが猫と下っ端の鬼に襲いかかります。

 

 

 

 

しかし、腹をくくった猫と鬼は反撃に出ました。食われる前の悪あがきです。

猫はおやつのきな粉で目つぶしを加え、下っ端の鬼は、鬼の王が角の中に隠してくれていた王の大金棒を使って戦いました。

しかし、王の大金棒はとても重く、下っ端の鬼にはうまく使えません。そのとき桃太郎が叫びました。

「鬼どん!わしならその大金棒を使えるぞ!わしに貸してくれ!」

しかし、やられたはずの竜の手下どもが起き上がり、そうはさせるか!と桃太郎に襲いかかります。

「桃太郎!ここはわしが食い止める!」

ゴリラも立ち上がり、竜の手下どもを投げ飛ばしました。

 

 

 

 

 

下っ端の鬼は桃太郎に大金棒を放り投げました。

「それ!受け取るんじゃ桃太郎!」

「えいや!」

大金棒を受け取った桃太郎は渾身の一撃をバケモノドラゴンの頭に叩き付けました。さすがの鋼鉄の体も、この一撃には敵いません。バケモノドラゴンはバッタリ倒れて気を失い、もとの竜の王の姿に戻りました。

「参った、桃太郎。お前たちの強さはよくわかった。これからは対等につき合おうではないか。」

ついに竜の王は負けを認め、小さなお国と鬼が島からお金を取る事をやめました。

 

 

 

 

こうして桃太郎一行の戦いは終わりました。小さなお国はくらしにゆとりが生まれ、みんなは稼いだお金を貯えることができるようになりました。

鬼が島も昔のように、のんびりとくらす事ができるようになりました。2つの国は争う事をやめ、協力する事で豊かになっていきました。

ゴリラは侍隊長になり、小さなお国の侍たちと、鬼が島の鬼たちに武術や剣術を教える事になりました。下っ端の鬼は出世して、中くらいの鬼になり、竜の国と商売を始めました。きびだんごと鬼のパンツがよく売れているそうです。

桃太郎はどうなったでしょう。

 

 

 

 

 

桃太郎は猫と一緒に村に帰って、おばあさんの仕事の手伝いを続けました。相変わらず村には人手が足りていなかったからです。

時々ゴリラと一緒に剣術を教えたり、中くらいになった鬼の手伝いをしに出かけていきます。

いつかこの村にも少しずつ若者が増えて、元気になれば良いなぁと思いながら桃太郎は仕事をするのでした。

 

 

おしまい

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